スポーツ心理学が明かす!イップスで球児は成長する

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スポーツをする多くの人が「イップス」という言葉をご存知ですよね。

世界的には、ゴルフのパットに対するイップスが有名ですが、私たち日本人は野球でのイップスが最もイメージしやすいのではないでしょうか?

スポーツをする者にとってイップスほど怖いものはなく、一度発症してしまうと完治まで長い年月がかかり、最悪の場合、治らずスポーツ自体をやめてしまうという人もいます。

しかし、イップスは何も悪影響だけを選手に与えるわけではありません。

それは選手にとっての試練の一つであり、乗り越えた先には大きな成長が待っています。

今回は、スポーツ心理学の側面からイップスの影響を紹介し、イップスに対する新たな見方を明らかにします。

 

今回引用した論文は、以下の通りです。

松田 晃二郎;須崎 康臣;向 晃佑;杉山 佳生 「イップスを経験したスポーツ選手の心理的成長ー野球選手を対象としてー」 2018 スポーツ心理学研究

 

 

 

■1 イップスとは

 

 

イップスは以下のように定義されています。

「運動スキル遂行に影響する不随意運動からなる長期的な運動障がい」(Roberts et al 2013)

 

「長期的な障がい」と定義されている点から、イップスは立派な病気であり、なかなか治らないものであることが分かります。

イップスを発症すると具体的にどのような状態になるのかといいますと、

野球を例にとると、ピッチャーに発症しやすく、今まで普通にストライクを投げていたのに、急にワンバウンドや大きくそれたボールを投げるようなります。

なにも初心者にだけ発生するのではなく、プロの選手でもよく起こります。皆さんも、プロ野球をみていて全くストライクが入らず、表舞台から姿を消した選手が思い当たると思います。

 

ぼくの体験

 

筆者である僕も、実は野球を経験しており、イップスに近い状態になったことがあります。

少年野球時代の、キャプテン・エース・4番をやっていた自分の中で最も輝いていた時代です(笑

きっかけは、デッドボールでした。

それまで普通にピッチャーとして活躍していたのに、キャッチボールすらままならない状態になり、当時は相当病みましたね。

しかし、今となっては、イップスになったなりに工夫して直そうとした経験が、今の自分を形作っていると、逆に感謝している部分もあります。

 

このように、イップスというのは、選手生命を脅かす存在であり、選手の精神にもかなり悪影響をあたえるものです。

しかし、僕の実体験から分かるように、自身の成長に繋がるという面もあるのです。

続いて、イップスの影響について見ていきます。

 

 

 

 

■2 イップスで球児は成長する

 

 

今回引用した論文では、過去にイップスを経験し、現在も野球を継続している男子野球選手6名に対して、エピソードインタビューを行っています。

注:エピソードインタビューというのは、調査の対象者の具体的なエピソードの語りをデータとして用いるもので、被験者の自己分析に最も有効な手段である。

 

その結果をもとに、悪影響、良い影響について説明します。

 

悪影響

 

実験の結果、イップスに対する否定的な語りは全員に見られ、以下のような経験を示しました。

A君:野球って言葉が嫌いになった。いっそのこと違うスポーツをやろうかと思った

B君:暴投をするたび、キャッチボール相手から怒られ、毎日びくびくしていた。

C君:レギュラーメンバーから外されるという不安で毎日生きた心地がしなかった。

 

まとめると、以下のような悪影響があったことになります。

  • 不安の高まり
  • 恐怖心の高まり
  • 競技からの逃避・離脱願望

 

これまで当たり前のようにできていたパフォーマンスがある日突然できなくなり、その状態が断続的に続くことによって、否定的な考えを巡らせるようになったのです。

 

 

良い影響

 

逆に、イップスを経験して成長を感じたかを質問した結果、これもまた全員があると答えました。

A君:イップスを経験して、ネガティブにばっか考えていたらあかんと思うようになった。「空振りしてもええか」と思えるようになった。

C君:今まで、ミスをする人に強く言っていたけど、自分がその立場を経験して、ミスを受け入れるようになった。優しくなった。

E君:野球というのは、打つ・投げる・走るのうち、一つでも欠けるとできなくなる。やっぱり野球って難しいスポーツだと改めて思った。

 

イップスを通して、以下の点において精神的に成長したということが分かります。

  • 精神的なゆとり
  • 野球ができる喜びや楽しさの再確認
  • 他者の受容・理解
  • 競技への深い理解

 

イップスになりながらも野球を継続し、立ち向かうことによって、スポーツ選手としての心理的成長を得ているのです。

 

 

 

 

■3 まとめ

 

 

イップスというのは、今までできていたことが急にできなくなり、選手に心理的葛藤やもがきを与え、否定的な考えを与えます。

そのような状態で、もう野球をやめたい。練習に行きたくない。と逃げたくなるのも当然です。

しかし、イップスという病気に立ち向かい、それを乗り越えれば、スポーツ選手として一人の人間として、大きな成長があるということを、ぜひこの記事を通して覚えておいていただきたいです。

イップスは自分の成長のための試練である。

 

 




今回の記事はここまでです!最後までご覧いただきありがとうございました。

この記事のほかにも皆様のお役に立てるであろう記事を書いていますので、よかったらぜひそちらもご覧になっていってください!

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